2012年05月19日

そして誰もいなくなった

先日ご当地萩市の30年後の姿を引き合いに、萩市のまちづくりの方向性に警鐘を鳴らす藻谷先生というまちづくりの専門家の話を又聞きしました。

藻谷先生いわく、「30年後の萩市には子どもが居なくなる」。

今更初耳でもありませんし、現在の萩市の人口構成から見れば誰でも予測できる数字です。
あのアガサ・クリスティの有名な推理小説に「そして誰もいなくなった」というタイトルの小説がありましたが、ご当地萩市の将来を言い当てるキーワードになりそうです。
当然、年間1千人の人口減から考えると、30年後には「子どもの姿を見かけなくなる」し、「萩市の人口がとうとう1万人を割った」という事態も充分予測できます。

30年後の私は86歳、存命中ならおそらく「介護対象者」であるわけで、実際どんな風に自分が介護されているか想像もできません。
順当に行けば特養に入所して、高齢の介護職員か外国人の介護職員のお世話を受けているのでしょうか。

先日の藻谷先生の話しにも「もう道路や箱物はいいでしょう」という話があったそうで、確かにご当地でも「まちじゅう博物館」なる掛け声の下、古い住宅等の整備や市内の公共施設整備に力を入れて来ました。
お陰でまちは大変きれいになりましたが、その結果まちが潤い、若者定住につながったとは思えません。
勿論高齢者対策にも抜かりはなく、次々に高齢者施設の設置が進んでいます。

しかし、10年後さらに30年後のまちの姿を希望的観測でなく、冷静な予測を受け入れて、住民が安心して老いて行けるシステムづくりこそ一番急務のように感じます。
悩ましい問題ですが、何とか糸口を見つけて欲しいものです。



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2012年05月12日

不安DI

以前この欄で紹介した「国民総幸福量」を標榜する農業国家ブータン王国、95%以上の人が「不安」もなく、「幸福」と感じている国だ。
果して「マインドコントロール」と見る向きもあるが、日本の現状との余りの落差に憧憬さえ覚える。

さて日本国民の「不安」、内閣府の調査(2010年)によると「悩みや不安を感じていない人」(30.8%)、
「悩みや不安を感じている人」(68.4%)、
「不安DI」は△37.6(感じていない人−感じている人)。

かつて74年から91年の17年間は「不安DI」がプラスの時代だった。
それが92年のバブル崩壊とともに「不安の時代」に突入。
その後年々「不安DI」は高まり、近年は70%近くの人が何らかの不安を感じている。
日本社会の「病状の進行」と言える。

その病状の進行を裏付けるもう一つの数字は、98年に一気に3万人台を突破して、3万人超の数字が貼り付いたままの「日本の自殺者数」である。

この高自殺率の主因は、政府がいくら抗弁しようが「所得格差の拡大(中流層の低所得化)と競争の激化」による不安社会にあるのは間違いない。
お隣りの韓国も同様で、09年に日本の自殺率を抜いた。
「格差拡大と競争激化」、昔どこかで聞いたことのあるフレーズだ。
そうマルクスの資本論にあったような。今や世界中の企業がその目的を「企業価値(株価)を高めること」に専念し、従業員の報酬をできるだけ抑制する方向に走っている。

「進歩の先には必ず幸福があると信じていた一つの歴史の終焉」(水野和夫氏著書引用)、これがグローバル経済=資本の終着。
一体何をもって幸福と位置づけるべきか?



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2012年05月05日

小沢一郎

「小沢一郎、無罪」、正に「疑わしきは被告人の利益に」とする日本の刑事裁判の典型的な判決である。

検察の捏造調書を頼りに起訴した訳だが、やはり状況証拠だけでは有罪にできなかった。

勿論私も確信的な「小沢有罪」派に組し、世の金権政治家の一掃を願う者としては誠に残念な判決である。
しかし、確かに「調書が捏造」となれば裁判官の心証形成にはマイナスに作用する訳で、そもそも捏造調書で起訴されたとなれば、検察の非違性(違法性?)は明らかである。

しかし残念なのは、この判決を契機に拝金と権力の申し子のような政治家が、まるで悪代官に勝利した正義の政治家のような振る舞いに出るのではという危惧。
「国民の生活が一番」と言いながら、震災後もほとんど地元岩手に帰ることもなく、避難所にも寄り付かない代議士先生。
そのセリフと裏腹に国家国民など眼中に無く、自己の権力肥大に邁進する政治家を、さらに勢いづかせることになりかねない。

世の中の正義とは何か?
まるでハーバードの白熱教室のテーマを思い出す。
政治権力を私物化し、結果として国民の政治不信を助長して来た人物の無罪判決が、果たして「正義」と言えるだろうか?

かつてアルカーイダのメンバーに対し自白を得るための米軍兵士の拷問が非難された時、「多くのアメリカ人の命を守るためには自白を促す拷問は正当だ」と米軍高官が発言したことが話題になった。

正に今回の判決は、「正義のためでも違法な手段は認められないのか?」という根源的な問題を私たちに提示している。
正義とはいったい何か?誰を守るための法律なのか?(4月27日)



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2012年04月28日

放射能汚染

先々週から続いた暴風、すごかったですね。
正に自然の猛威、この猛威に対し人類はいまだに無力ですよね。

そして今も放射能汚染の続く福島原発、同様に人類の英知を以ってしても放射能の制御はできそうにありません。
放射能に関し無知な私にしてみれば、政府発表の「ただちに健康に影響を及ぼす量ではありません」の言葉を、「放射性物質が多少検出されても無害なんだ」と真に受けていましたが、これは半分正解で半分間違いのようです。

小出裕章さんという京都大学原子炉実験所助教の著書「原発のうそ」によれば、アメリカ科学アカデミーの中のBEIRという委員会(放射線の影響を検討する委員会)が2005年に次のような報告を出しているそうです。
「利用できる生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。
被爆のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。
最小限の被爆であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある(しきい値というのは、症状が出はじめる最低限の被爆量のこと)」。

要するに「この量以下なら安全です」という値は存在しない、どんなに少量であってもそれに比例した影響は出るということ。

一方それに対し、放射能の影響は年齢により大きく異なるのも事実。
「50歳以上になると放射線によるがん死の可能性は劇的に低下する。
高齢になると被爆の影響を受けにくい」。
だから「子どもと妊婦、若い人には出来るだけ安全とわかっているものを食べさせ、汚染された食品は50歳以上の大人や高齢者が引き受けよう」と著者は提案。

さてさて中高年の皆様、子や孫のためにこの提案いかがかな?



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2012年04月21日

空気と妖怪

私の愛読する山本七平氏の著書に「空気の研究」という戦時中の日本人の心理を分析した名著がある。
それは『空気』という大きな妖怪?に飲み込まれ、操られた日本人の心理と行動を分析したもので、例えば本気で竹槍でもってB29と戦おうとした『竹槍戦術』にも触れている。

しかし、今なぜこの「空気」を持ち出したかというと、先日「原発の闇を暴く」という広瀬隆氏・明石昇二郎氏の対談集を読んで正直「大きな衝撃」を受け、同時に日本社会の今の「空気」に気づいたからである。

あの野田総理の「収束宣言」以降、「原発は低コストでクリーン」あるいは「原発を停めると電力不足で市民生活・企業活動に大きな支障」という原発推進派の主張がマスコミで多く聞かれるようになった。
その所為か「少し不安だが、原発は必要」という気持ちに自身傾きかけていた。世の中の多くの人もきっとそうだろう。

しかし事実は全く違うようだ。
正に「大本営発表」と同様、私たちは政府や電力会社、御用学者、そしてマスコミに操られている。

「収束宣言」?とんでもない。
今でも刻々と放射能被害が累積しつつある。

「電力不足」?とんでもない。
火力と水力で発電能力は充分ある。

勿論、広瀬・明石両氏の主張が全て正しいとは言わないが、大方は真実であると私の直感が告げる。
モノを知らないということは、本当は大きな「罪」なのかも知れない。

結局私自身の怠慢で、今日まで何も知ろうとせず「賛成、反対」の声に流されていただけだ。
日本の将来は別にしても、自分の子や孫が被害を蒙ることが分かっていて、それでも「原発GO!」と本当に言えるのか。

やはり妖怪という「空気」は怖い。



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2012年04月14日

twitter民主主義

「民主主義は数」、「選挙は権力闘争」。
大阪の橋下市長の発言です。

すごく分かりやすい言い回しですよね。
それにこの方のtwitterでの発言は、さらに凄いですよ。
一日何十回も機関銃のようにツイートして、攻撃対象になった人はコテンパン、徹底的に攻撃します。

気持ちがいいでしょうね。

これまでだったらテレビ・新聞のマスメディアの一方的なバッシング報道に晒されても、なすすべも無い力関係だった訳ですが、大手メディアを逆に攻撃できる訳です。

ネット普及のお陰で、メディアの構造が大きく変貌し、誰もが自前の意見を堂々と社会に発信できるようになりました。
今や全国民が自前の無料のメディアを手に入れたような状態です。
昨年の中東諸国で連鎖的に起こった市民革命もこのソーシャルメディアの影響が大きいと言われていますが、権力層にとっては恐ろしい反撃の武器を被支配階級の庶民層が携帯する時代になったと言えます。
日本では特にこのtwitterの普及率は先進国の中でも高く、人口の10%以上(1200万人)と言われています。
橋下さんの底堅い人気を支えている主因は、もしかするとこのtwitterなのかも知れませんね。

「民主主義は数が決める」の主張と、このtwitterの情報発信力の特徴は一致するような気がします。
しかし、この「twitter民主主義」が怖いのは、世論を一瞬にして同じ方向へ向かわせる点で、世論を感情的に沸騰させる力はあっても、果たして熟慮した理性的な判断を集約する力があるのかという点です。

「21世紀はネットを制する者が、権力を制する」かも?(manwa語録)。



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2012年04月07日

満腹な飢餓

野口悠紀雄先生の著書に触発されて、3月1日Samsung製のスマートフォン購入。
以来連日連夜スマホと格闘。
野口先生いわく、「スマホに使い倒されないように」との警告だったが、正に「使い倒された」状態で1ヵ月が経過。
今更と思われそうだが、FacebookやTwitterにも登録。先刻も解説本を見ながらスマホをいじっていた。

確かに「便利な道具」。
あのビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズと同年の私にしてみれば、「スマホごときが」と言いたいところだが、正直「よくもこんな便利な道具が作れたものだ」と感心仕切り。

しかし、スマホの便利さもその効用は、時間と引き換え。
スマホに向かう時間だけ、自分の貴重な時間が消費されて行く。
そして漠然とスマホに触り楽しんでいる時間は、思考とはまるで無縁の時間。やはり目的を持った主体的な使い方を心がけねば、人間本来の思考能力が減退しそうで少し怖いものがある。

都会の電車に乗るたびに目にする、みんなが一斉に下を向いて携帯を触りだす異様な光景。
いつも感じるのは、ストレス満杯の精神的飢餓状態の渦中に投げ込まれたような違和感。
この日本の光景、外国人の目にはどう写っているのだろう。

次から次に便利な道具を求めて、満腹になっても満足できないのが現代人の業というものか。ある有名なお坊さんが、「無」と「空」を外国人にも分かるように噛み砕いて表現したそうだ。
即ち、「腹がへったら、何でもうまい」と。
故に、満腹の人にはどんな上等の料理を出しても美味とは感じない。

「便利さとは、人間の思考力を奪うもの」manwa語録より。



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2012年04月02日

幸福をめざす国

先日NHKの特集番組で「国民総幸福度」で注目されているブータンの村人たちの生活振りを放映していた。
一番印象に残ったのは、彼らの用いる言葉には「ストレス(欲求不満)」という言葉が無いということ。
しかも他人に対する「嫉妬」という感情をほとんどの人が持たない。
要するに「所有欲」というものが無い、あるいは極端に希薄。
また取材班が村の二人の若者に「若い人だったら、どこか都会に出てみたいと思うのじゃない?」と尋ねると、二人とも「ここより好いところは無いので、ここを離れない」と答えていた。とにかく番組から目が離せなかった。
村人たちの生活振りがとても懐かしくて、自分の子どもの頃の何も不安の無い、のびのびした感覚を思い出させた。
不安感の無い生活、これがイコール幸福感につながるようだ。
そもそも「ブータン王国」と呼ばれる如く、1972年にジグミ・シンゲ・ワンチュク国王の提唱からこの「国民総幸福度」政策はスタート。
この国では、国民総幸福量の増加を政策の中心に置き、その政策成果を評価する尺度として「総幸福量」の考え方を使っている。
1990年代からの急速な国際化に伴い、ブータンでは当たり前だった価値観を守るために改めてシステム化したそうだ。
正にGDP(国民総生産)=拝金主義の対極にある価値観であり、チベット仏教の教えをそのまま実践している。
片や先進国と呼ばれる日本では、円が1円上がった下がった、株が10円上がった、下がったと日々国民が一喜一憂。片や人間の善性を最大限引き出すことで住民の真の幸福を目指すブータン。
「生活の尺度を何にするかで人の幸or不幸は決まる」(manwa語録)。


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2012年03月24日

アルコール依存症のハエ

以下の記事、我々男性にとっては「ハエ(他人)事」とは思えない研究結果じゃないでしょうか?

「ハエも失恋すりゃ『やけ酒』?米国チーム発表。
ハエも振られるとやけ酒?――交尾ができない状況に置かれたショウジョウバエのオスは、そうでないオスに比べて、アルコール入りの食物を多く取ることを米国のチームが明らかにした。
欲求不満によるストレスが行動に関係しているという。米科学誌サイエンスに発表した。
実験では、メスに振られたオスは満足感が高いときに脳内で増える神経伝達物質の量が少なく、アルコールの摂取量が多かった。
交尾できるオスは、神経伝達物質が多く、アルコール摂取は少なかった。
交尾ができず、この物質が不足した状態がつづくと、脳に満足感を与えるアルコールに依存するようになるらしい。
哺乳類にも同様の物質があり、研究成果はアルコール依存症の仕組みの解明につながる可能性があるという。」
(朝日新聞ネットニュース)。

「アルコールは脳に満足感を与える」から「欲求不満のストレスを酒で解消する」。
ハエ事とは思えませんね。やってることは我々と同じ?仕事も無い、お金も無い、恋人も友人もいない男性は、みんなアルコール依存症になる(お金が無いとお酒も飲めませんが)?
そんなわけ無いですよね。
やはり人間がハエと違うのは、ストレス解消の方法を色々身に着けている点と思うのですが。

しかし、ハエもやけ酒飲んで鬱憤晴らしをしていると知ったら、これからは少し飲み方を気をつけないといけませんね。
ハエと同じレベルじゃあ情けない。


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2012年03月17日

世直しは議員報酬から

以前この欄で今の日本の選挙制度では、「ベストな候補者」を選べないというくだりを書きました。

じゃあどうすれば良いのか?
先ずは、優遇された国や地方議員の在り方について根本から見直す必要があります。

それには現在の報酬・手当の制度を見直す。即ち、収入を得るため、生計を立てるために議員になろうとする人を排除して、議員を専業、家業とさせないために、現在の報酬制度を廃止する。議会等に出席する公務等実活動日についてのみ日割り、もしくは時間あたりの報酬を支払う。
ちょうど今の裁判員のような制度です。理想を言えば、無報酬が望ましいですが、それでは議員になる人がお金持ちに限られるおそれがあるので、せめて公務日のみは報酬を支払う。
じゃあ、日頃議員として有権者の要望をくみ上げるための活動時間や、要望に基づき役所と折衝したりする時間はどうなるのか?という不満が出そうですが、それは勿論無報酬。
住民のお世話を報酬を貰わないと出来ないという考えの人には、そもそも議員にはなって欲しくない。そうでしょう?
あなたの周りにおられる町内会長さんや民生委員さんたち、ほとんど無報酬で他人のお世話をしておられますよね?
それを考えると公務の日はちゃんと報酬が支払われる訳ですから文句は言えないはずです。
そもそも報酬を目的に議員になる人を排除するための制度改革ですから。

スウェーデンでは、市会議員は無報酬のボランティアだそうですよ。
お金のために議員になるような人は、やはりちょっと遠慮したいです。
それにしても首長主催の政治塾が流行っていますね。まさか高額報酬目的の就活ではないですよね?



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