2008年11月

2008年11月30日

悪魔のまなざし

何とも凶暴で異様な元次官襲撃事件。コメントの仕様が無いのが正直な感想である。
詳細が判明するまでコメントは控えるが、改めて今回の事件で、人間という生き物の強烈な暗部を見せられた思いがした。
この「人間の暗部」と少し関連があるかも知れないが、今回は東京工大大学院准教授で文化人類学者の上田紀行氏の「悪魔祓い」の話しを紹介したい。
氏の著書によればスリランカの地方の農村で今でも行なわれている悪魔祓いの儀礼で、病院に行っても治らない患者(主にメンタル面での病気のようだが)の病気を治すという伝統があるそうだ。
なんと非文明的な土着の風習と思われるかも知れないが、現在のスリランカは識字率90%と教育程度も高く、病院制度も整い、医療費は無料という文明国らしい。
そんな国で未だに悪魔祓いの風習が存在している。
そして実際に病気が治るらしい。そもそも村人の誰もが「悪魔は孤独な人に憑く」と考えており、家庭の中や仕事場など周囲の誰からも暖かい「まなざし」を向けてもらえない孤独な人には、唯一悪魔だけがまなざしを向けてくれ、結果その人は精神的な不調に陥り病気になる。
そこで悪魔を祓うために悪魔祓いの呪術師は、ある晩村中の人々を集めて、その病気の人がみんなから「暖かいまなざし」を一杯受けられよう夜を徹しての「大漫才大会」を開くということらしい。
駄洒落、下ネタ、替え歌ありで、病気の患者もいつしか村人たちと一緒に大笑い。
悪魔も笑い転げて退散し、病気も癒えるというシステム。
確かに、人間は本来孤独に耐えられない生き物。
周囲の人から暖かいまなざしが全く受けられない環境では、「悪魔のまなざし」でも受け入れてしまうかも知れない。
正に今の日本、悪魔のまなざしがあちこち飛び交っている社会なのかも?

manwa at 13:54|PermalinkComments(0)clip!

2008年11月23日

拝金主義社会

もしあなたが病気になったら、家族以外であなたのお世話をしてくれる仲間か友人がいますか?
恐らく「誰も居ない」と寂しい返事が帰って来そうですね。
この世知辛い世の中で、誰が好き好んで無償で他人のお世話をしてくれる人が居ますか?
勿論四六時中の介護までやってもらうという話しではありません。
たまに通院する時に車で送迎してもらったり、簡単な身の回りのお世話をしてもらう程度なんですが。
誰かいますか?
近所の人や町内の人、誰かいませんか?

残念ながら今の日本は「自己責任」の社会。
自分の食い扶持は自分で稼いで、自分の老後は自分で責任を持つ。
周りの人は勿論、国の福祉や医療にもなるべく負担を掛けない。
これが今の日本で尊敬される立派な国民像です。
だから定年で退職して、何もしないで毎日遊んでいる年金生活者や病気の高齢者は若い人たちから見ると、税金ばかり使っている「社会の役に立たない」人間に見えるかも知れません。
そして稼ぎの悪い現役のお父さんも、妻や子どもたちから「うちの父さんは甲斐性無しの役立たず」と毎日罵られているかも知れません。
そうです、今の日本社会は株の投資で儲けようが何で儲けようが、お金をたくさん稼ぐ人が評価され「偉い人」。
介護職のようにいくら社会的に重要な仕事でも、収入の少ない仕事は世間から評価されません。
即ち、「社会の役に立つ=お金をたくさん稼ぐ」こと。
いわんや、病気の他人を無償でお世話する人が居るなんて社会の想定外。
でも居るんですね、困った人をたすけるのは当たり前と感じて、実際にやってる人が。
私の知人に二人も居ます。
昔の日本にはこんな人がたくさんいたのでしょうね。
損得抜きで慈悲心だけで動く人が。
でも今は愛情も幸福も福祉も、すべてお金に換算される拝金主義社会。
正に資本主義社会の成れの果て?

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2008年11月15日

プラシーボ効果

「こんな時に選挙なんかやってていいんですか?」「こんな時だから選挙で国民の意思を表明する必要があるんだ!」。
アメリカ大統領選挙の開票結果を待つアメリカ人にNHKの記者がインタビューしていた遣り取りのひとこま。
勿論アメリカ史上初の黒人大統領。
改めてアメリカの底力を感じさせられた選挙でもあった。
片や日本の国政に目をやれば、「未曾有の金融経済危機の状況下で政治空白は作れない。
選挙なんてとてもとてもやれるもんじゃない」。
どうも世論も「とてもとても」になびいてしまっている?
政府与党の本音は、「今選挙をやると敗戦濃厚だから、出来る限り政権の延命策を講じる」。
既に国民も分かっていると思うのだが。
信頼されない政権(政府)がいくらがんばって政策を実施しても効果は良くて半分。
例えば信頼する医者から「これは良く効く」と小麦粉を薬として処方されても効果がある(プラシーボ効果)と言われる。
これと反対に信頼していない医者だと良薬の効果も薄い。
アメリカ国民は幸せだと思う。
信頼できる大統領の下で当分の間はがんばれる。
それに引き替え日本はどうだ。
選挙間近ということで国民にバラマキの定額給付金(そう言えばブッシュ大統領も少し前に同じことをやった)。
それでなくとも借金財政というのに、何を考えているのか。
哲学もポリシーも何も無い、行き当たりばったりの施策。
あまり言うと「天に唾する」ことになるが、アメリカのリーダーと日本のリーダーの一番の違いは、「自分の言葉で国民を動かせるか、どうか」である。
日本の総理が演説で国民を感動させたという話しは聞いたことがない。
日本の政治家は何故国民を感動させる言葉を持てないのだろうか? 
勉強していないから?苦労していないから?それともただ口下手だから、、、、、? 

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2008年11月09日

左脳と右脳

国政の解散話しも株価の変動話しも少々飽きてきたので、今週は別の話題にします。
今回は人間の左脳と右脳の話。
これは先日読んだ本(「覚醒のネットワーク」上田紀行氏著)の受け売りになりますが、左脳は「言語脳」で「考える」・「違いを見る」脳。
一方右脳は「動物脳」で「直感・感性」・ものを「感じる」脳。
この「言語脳」と「動物脳」のどちらの機能が優位かで「右脳型と左脳型」の人間に分かれるそうです。
勿論左右がバランス良く機能している人も居るし、バランスの取れている方が健康にも良いようです。
但し、日本人の70%は「左脳型」と言われていますし、現代社会は左脳優位の社会とも言われています。
即ち、「言語脳」が優位ということはそれだけ「動物脳」の働きを抑えていることになり、動物脳の特徴である生命力や自然な感情の流れが低下するということになります。
昨年のデータですが、東京都内の中小企業で働く従業員の25.6%の人が「抑うつ状態」にあるそうです。
これも「左脳型優位」社会の所為かも知れませんね。
「なぜ?」「どうして?」とひたすら「考え続ける」。
右脳の働きを抑え、思いっきり堂々めぐりの分析が続き、正に「気に病む」状態になって生命力が低下してしまいます。
目に力が無くなり、表情も乏しくなり、思考や動きが緩慢になる。
これは「うつ病」の典型ではないですか。
日本の社会が今のまま続くと、もっともっと「抑うつ状態」の人が増えて行くということ?
大丈夫ですかね。
そして最近気が付いたのですが、どうも「右脳優位型」の人は、左脳型の人よりも人間本来の性質とも言える「慈悲深く、愛情豊かな」傾向の人が多い気がします。
さすが動物脳の右脳型です。
日本社会を住みやすくするには、みんなでもっと右脳を鍛えた方が良いのかも知れませんね。
勿論私は「左脳優位型」です。

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2008年11月02日

人間万事塞翁が馬

株価が連日急落と急騰を繰り返す。
「この先一体どうなるんだ?」と多くの経営者は不安に思っているに違いない。
さてここで中国の古いお話しを一つ。
「昔々中国のとあるとりで(塞)に住むおじいさん(翁)の馬が逃げてしまった。
『これが幸福のもとになるかもしれんよ』とおじいさんは心配する近所の人に言った。
しばらくすると逃げた馬が胡の国の立派な馬をたくさん連れて帰ってきた。
近所の人がお祝いに行くと、おじいさんは『いやいや、これが災いになるかもしれん』と言った。
その言葉どおり、その駿馬に乗って遊んでいたおじいさんの息子が落馬して足の骨を折ってしまった。
近所の人がお見舞いに行くと、今度はおじいさん曰く『いやいや、これが幸いになるかもしれんよ』と。
なんとまあひねくれた可愛くないじいさんだこと、と近所の人が思ったかどうかは定かではない。
しかし、おじいさんの言葉どおり、その一年後胡の国と戦争になり、塞の若者のほとんどが戦死したのに、おじいさんの息子は足の骨折がまだ癒えていなかったお蔭で戦争に行かずにすんで命拾いした。」
というお話し。
皆様ご存知の「人間万事塞翁が馬」のお話しです。
要するに人間社会の吉凶・禍福は変転し、予測できないことのたとえ。
先週は宝くじで2億円当てた女性の気の毒な殺人事件の報道が続きましたし、少し前にはせっかく重要な閣僚ポストに就いた議員が事務所費問題や失言問題でマスコミに叩かれ辞職するというケースもありました。
もっと前には思いがけず総理の椅子に座った人が、椅子の座り心地が悪かったのか途中で椅子を投げ出したため、マスコミや世間から大変なバッシングを受けました。人生、何が幸いし何が災いになるか分かりません。
禍福表裏一体。
さてさてサブプライムローンに始まった世界の金融恐慌、禍となるか福となるか?

manwa at 13:48|PermalinkComments(0)clip!
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