2010年01月

2010年01月30日

維新

昨年の衆院選を振り返る山口新聞の記事で紹介されていた県民意識調査〔NHKの1978年調査〕。
少し古いが興味深い。
「多少自分の考えに合わなくても皆の意見に合わせたい(山口県民82%、全国1位)」、
「天皇は尊敬すべき(同71%、同1位)」、
「国や役所のやることには従っておいたほうが良い(同58%、同2位)」。

「そもそも山口県は明治新政府の伊藤博文に始まり、山県有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、戦後の岸信介、佐藤栄作、安倍信三と8人の宰相が続く中、国の方針には協力して行くという『保守本流』の意識が培われて来たのではなかろうか。
それが今回の選挙結果に現れている」というのが、山口新聞佐々木正一編集委員の分析。
確かに正鵠を射ている。

3年前の参議院選挙でも民主党圧勝の中で、我が山口県は自民現職が圧勝。
そして政権交代に至った昨年8月の衆院選でも同じく民主へ強風が吹いていたにもかかわらず山口県では自民現職が圧勝。
「いくら保守王国と言っても、なぜこんなに自民党が強いのか?」という疑問に、佐々木編集委員の分析は答えてくれた気がした。
即ち、長州政権イコール自民党政権という意識を多くの山口県民が未だに持っているということ。

明治維新の主役は長州山口、郷土の先人達が日本の近代化を成し遂げたという誇り。
だからこそ、その長州政権=自民党政権に協力し、政権維持に務めなければならぬ。これが保守王国山口県民の意識である。
その分析を補強するもう一つの材料は、「政治家の世襲」。我が山口県では、逆に世襲は「保守本流」のブランドとして、その毛並みの良さを表わす美点となっているようだ。

正に明治維新を成し遂げた先人達を誇りに思うのと同様に、その末裔達までを敬うという風土がもたらすものか?

「日に新たにして、維れ新たなり」。
松陰先生ならこの山口県の現状をいかに分析するだろう?

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2010年01月23日

政治家の資格

票を集めるには、お金が要る。
これはアメリカの大統領選挙を見れば分かる。

そもそも有権者の投票で代表者を選び、その代表者が政治を行なうという制度、古くはローマ帝国の時代から行なわれていたが、やはり票をたくさん集めるには今と同様に有権者のために何をやったかが問われた。
だから候補者は自分のお金で公共工事を実施したり、現職の候補者は例えばあのコロセウムでライオンと奴隷闘士の格闘ショーを有権者に提供したり、貧しい有権者にはパンの無料支給をしたり、それこそ至れり尽くせりの有権者サービスを国策でやった。

ただローマ帝国では執政官は1期までとか2期までとか、長期間同じ人間が権力の座に居座れない仕組みも併用した。

しかし、いくら制度が立派でも所詮運用するのは人間、運用次第で善にもなれば悪にもなる。
結局、ローマ帝国も長い繁栄の後に、運用者である政治家の腐敗と共に亡びることになった。

日本の政治を司る鳩山総理、小沢幹事長、例に漏れず「お金」にまつわる疑惑。両名とも尋常でないのは確かである。
今から2千年近く前、中国の大学者荀悦先生曰く
「政を致すのは先ず四患(四つの病弊)を取り除くこと。
一に曰く、偽(大小のうそ)。
二に曰く、私(公私混同)。
三に曰く、放(勝手放題)。
四に曰く、奢(ぜいたく)」(後漢書)。

自らおかゆをすすり節倹を奨励した米沢藩主の上杉鷹山だからこそ領民も藩の再建に協力した。

しかし、ゼネコンの献金や親の財産で権力を手にした政治家には、とてもじゃないが消費税を上げるなどとは言い出せないのでは?

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2010年01月16日

国民の医療

高齢化に伴う毎年の医療費高騰、健保・国保の財政運営もほぼ限界。
そして次年度も保険料率が上がり、勤労者と事業主の保険料負担は更に重くなる。2
1年度から都道府県別に保険料率を設定する健保の制度が始まり、山口県は上位の保険料率が課せられたが、県民一人当たり医療費が全国5位(20年度)と更にUPしたため、次年度は全国トップグループの保険料率が適用される。
山口県の場合、人口の割に病院数が多いことも県民医療費UPの要因になっているようだ。

さて先日、櫻井よしこ氏の著書を久し振りに読んだ。
その中で日本の医療制度、利用実態等の非常に不合理な点が多々指摘されていた。
即ち、日本国民の受診、入院の頻度・日数が他国民に比べ異常に高い点、MRI等の高度先端医療機器の普及率が世界レベルをはるかに超えている点等々。
そして一番の極めつけは、病気等で亡くなられる日本人の、いわゆる「ご臨終」に至るまでの1ヵ月間の医療費が、なんと1人当たり100万円以上掛かっており、多くの病院ではこのご臨終医療費の収入が稼ぎどころになっているという実態。

とにかく今の日本の医療制度が、本当に国民の視点で行なわれているのか、大いに疑問に思えて来た。

貧乏人のヒガミかも知れないが、今の制度は先ず医者の収入、病院の収入がどうなるかを基点にして決められているとしか思えない。
確かに誰もが安く、適切な医療を受けられるのはありがたい制度であるが、無駄で過剰な医療まで保険で支払っているとすれば、保険財政が窮迫するのも必然。

ここらで一度、今の制度を徹底的に見直す、あの「事業仕分け」のように「公開」の場でやってみたらどうだろうか? 

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2010年01月09日

二宮仕法

2010年度の国の予算案、最も特徴的な点は税収を上回る国債発行額。
経済危機の影響による税収急減の結果とも言えるが、国の支出が借金で賄われるという誰が考えても不健全な状態は、一向に改善されそうに無い。

ここで思い起こされるのは「二宮尊徳翁」の「二宮仕法」。
生涯605か村もの建て直しに成功したと言われる。この仕法の基となる考え方が、「分度」と「推譲」。
「分度」とは今風に言えば「自己の経済的実力の範囲内での支出限度」。
二宮尊徳が復興計画を立てるに際し先ずやったことは、その地域の過去数十年間の収入を分析して、1年間に支出しても良い金額をまず決めること。
農民と領主がそれぞれの分度を守り、相応の生活をするという取り決めをしっかりとさせた上で復興計画に取り掛かった。
勿論ここには借金という発想は皆無。
そして分度を確立した上で、勤勉に励み、それ以上の収入があれば、その一部を将来のために譲る(推譲)。
自分の子孫に蓄財を残すのは誰でも容易にできるが(卑近な例では鳩山家の親子など)、村の灌漑事業実施等他人のために自分の剰余金を譲る。これが尊徳翁が推進した「推譲」である。

企業経営で言えば、いくら時勢に乗って業容拡大が可能な時でも「分度」を守って、借入れは売上の25%以内に留めるといった「経営安全数値ライン」を自ら設定し、これを守りながら、余剰が生じれば社内に蓄えつつ、その一部をもって世の中の役に立つ新しい事業にチャレンジして行く等のやり方。

しかし、国の予算案を見るにつけ、余りに「二宮仕法」とかけ離れた現状にため息が出てしまう。

二宮尊徳翁の亡くなられたのは約150年前の1856年ペリー来航の3年後、70歳でした。

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2010年01月02日

庚寅 2010

新年明けましておめでとうございます。

本年2010年の干支は庚寅。「庚(かのえ)」には3つの意味があるそうで、
?継承・継続、?償う、?更新。
即ち、庚は前年からのものを断絶することなく継続して、いろいろの罪・汚れを払い浄めて償うとともに、思い切って更新していかねばならないという意味。
また「寅」には、〔つつしむ〕、〔たすける〕の意味があって、志を同じくするものが助け合う、即ち「助け合っていろいろの妨害・公害などを排除して行く」という勇ましい意味の反面、〔畏れつつしむ〕という慎重さを求める意味も併せ持つ(安岡正篤「干支の活学」)。

本年の庚寅の2010年は、「継続した問題の処理に新たな動きが起こり、騒動と対立と刷新の喧騒とした一年になると予測される(村山幸徳「展望と開運」)」。

因みに直近の庚寅の年に当たる1950年の出来事を調べてみると、世界的には朝鮮戦争の勃発、中国のチベット侵攻。そして国内では敗戦後の主権回復の象徴となる講話条約締結に向けた復興気運の高まりと共に反対論の拡大等、結構世情騒がしき年であったようだ。
また金閣寺が放火で全焼するという事件も起きている。

要するに庚寅の年は、一つ舵取りを誤ると、国内・国外ともに喧騒の一年となる危険な年でもあると言える。
正に世の指導者の賢明なる判断が、随所で求められる年になりそうだ。

少子高齢化、人口減社会という日本国家衰亡の要因を、果たして日本はどのように打開して行くのか?

この一年は本当に難しい、重要な一年になる。


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