2011年10月

2011年10月29日

有償ボランティア

「有償ボランティア」という言葉を聞かれたことがありますか。
奇妙な言葉ですよね。「ボランティアを有償で」となると、当然「ボランティア」では無いし、有償ではあるが「労働者」でも無いという位置付け。
要するに行政が、地域住民の労働力を最低賃金に満たない安価な報酬で利用できるように編み出した手法です。

通常の労働者には労働基準法や最低賃金法の適用がありますが、いわゆる法律上の「労働者性」を充たさないという理由で、労働関係法が適用されない方々です。
「ボランティア」という言葉で個人のプライドをくすぐりつつ、労働市場に入るには条件的に困難な既婚女性や高齢者の働く場として実際に機能しています。
ひと頃話題になった「偽装請負」に似ていなくもありませんが、何せ行政が主導してやっている訳ですから違法である訳は無いといったところでしょうか。

ご当地萩市でも、観光用の旧宅のお世話等で働く方々がこの有償ボランティアに該当するようです。
また全国的には、介護福祉の最前線でもこの手法を使う行政もあるようで、低価格で介護サービスを提供することができて、利用者には喜ばれているそうですが、「『地域の安上がり福祉』と悪口をたたかれるこの働き方は、福祉労働の市場価格を破壊するという大きな問題をはらんでいます。
生活を支えなくてよい立場の女性が善意から低賃金で働くことは、かえってその労働そのものへの評価を低め、まともに働こうとする人の足をひっぱることになりかねない」(上野千鶴子著:「老いる準備」)という批判もあります。

低賃金でも働く場の提供か、それとも労働の正当評価か?
難しい問題ですね。



まんわ経営労務ホームページ
http://www.manwa55.net/

manwa at 14:00|PermalinkComments(0)clip!

2011年10月22日

百人斬り競争

「百人斬り“超記録”向井106−105野田 両少尉さらに延長戦」(昭和12年12月13日付 東京日日新聞)。
前の大戦中に国民を鼓舞した武勇伝として報じられた「百人斬り競争」なるものをご存知でしょうか。

この新聞報道が基で後に向井(山口県玖珂郡神代村出身)、野田(鹿児島県肝属郡田代村出身)両少尉は戦争犯罪者として死刑執行されました(山本七平著「私の中の日本軍」)。
しかもこの「百人斬り競争」は、中国が日本を非難する際に、真っ先に挙げる「南京大虐殺30万人」の代表事例とされているそうです。

著者は自分の戦争体験からこの新聞記事を詳細に分析し、「虚報」と結論付け、記事を書いた上に両少尉の裁判でそれを認めなかった浅海特派員を名指しで批判しています。

向井少尉のホラ話しをさも真実の如く日本の読者に報じ、結局その記事で両少尉が非戦闘員を虐殺した罪で中国の裁判で死刑に処せられました。

「ホラ話し」では済まされない、気の毒な話しですが、こんな「ホラ話し」を歓迎する「空気」が当時の日本のマスコミや大本営、そして国民にも確かに在ったと著者は指摘しています。
未だに中国が持ち出す「南京大虐殺」の正確な事実について勉強したことはありませんが、この件で中国の主張を否定しようとすると逆に戦争肯定者の右翼として世間から白い目で見られる「空気」は確かに在ります。

この「空気」、一体誰が造っているのでしょうか。

子ども時代によくやった「おまえのかあさんデベソ!」というイジメも事実を正確に知らない子どもにとっては「かあさんデベソだったかなあ?」と相手をたじろがせる効果はありました。
事実を知らないことは確かに弱味ですよね。



まんわ経営労務ホームページ
http://www.manwa55.net/

manwa at 14:00|PermalinkComments(0)clip!

2011年10月15日

日本の団塊世代

改めて戦後の日本社会は、「団塊の世代」が造っているのだと感じる。

「団塊の世代」とは、一般には1947年〜1949年の3年間に生まれた諸先輩方を指すらしいが、1951年までを含めて5年間の出生者を指す説もある。

とりあえず団塊5年間説によって話を進める。

この世代5歳分の人口合計が約1,084万人、1歳当たり200万人。
この世代の人口構成比は、日本全体の約1割を占める。わずか5歳分の世代が日本全体の10人に1人ということ。
「金の卵」として日本の高度経済成長を支え、バブル景気時代には40歳前後の飲み盛り、しかもバブル崩壊も経験した。

そして、この世代が65歳以上の年金受給者になるのが2012年からで、正に日本経済の盛衰を身をもって味わった世代。
ミスター(ミセス)ニッポンと呼ぶに相応しい方々。

しかし、今や日本の湿った景気と同様、団塊の65歳が始まる来年から、年金支給や医療費の増加で国の財政がさらに悪化すると心配されている。
勿論団塊世代に責任は無く、財政悪化の責任は、これまでの政権党と官僚諸賢の無責任体制。

但し、そんな政権党を支持した責任は少しはある。

そしてこの世代が80歳前後に到達する2031年には、年金積立金は枯渇し破綻するとも言われる。
若者世代からは「老害」、「穀潰し」と非難されながらも、われ関せずと動じず、ぶらぶらと遊び暮らすたくましい世代。

少し古いが内閣府の「経済白書05年版」の「世代会計による生涯を通じた受益と負担」を見ると、
〜1943年生+4,875万円、
1944〜53年生+1,598万円、
1974〜83年生−1,660万円、
1984年生−4,585万円。

勿論先輩方の所為じゃありませんよ、国の責任です。



まんわ経営労務ホームページ
http://www.manwa55.net/

manwa at 14:00|PermalinkComments(0)clip!

2011年10月08日

運命

「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」。

この言葉は、偉大な教育者であり哲学者でもあった森信三先生の言葉です。

この言葉の解釈は人それぞれでしょうが、この言葉から今私が連想するのは、人間の運命・宿命といった言葉です。その人の人生は生まれた瞬間から総てが決められているという考え方です。

これまで世界中の色んな賢者が、人間の運命や宿命について論じておられますが、中国で生まれた易経や四柱推命のいわゆる「占い」の根本原理に通じる言葉のようにも聞こえます。

中でも東洋思想の大家と言われた安岡正篤先生は四書五経に造詣が深く、当然「易経」に関しても勉強しておられた訳で、毎年会員限定で易経に基づく政治経済予測の講義も行っておられました。
正に未来を易経の学問で占っておられた訳です。

占いと言えば「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言われ、世間では胡散臭い代物というレッテルが貼られていますが、先日の新聞1面で大きく報道された「光の速度より速いニュートリノを発見。
今回の観測結果は、ニュートリノが『負の質量』を持ち、時間を逆行して未来から過去へ進んでいると解釈することもできる」とする記事は、もしかすると過去だけでなく、「確定した未来を人より先に覗くツール」の開発も可能ということを証明する発見かも知れないと思いました。

胡散臭い「占い」なるものの根本原理が、まんざら嘘八百とは言えない時代が来るかも知れません。

でも85歳の安岡正篤先生にしても、いくら高齢とは言え、まさか細木数子という銀座のママと出逢う運命とは予測できなかったようです。



まんわ経営労務ホームページ
http://www.manwa55.net/

manwa at 14:00|PermalinkComments(0)clip!

2011年10月01日

拝金主義

上関町原発推進派圧勝、小沢一郎秘書有罪判決。

どちらも批判するのは簡単だが、自分が上関町の町民だったら、あるいは小沢一郎の秘書だったらどんな行動を取るか考えてみたら良い。

確かに小沢一郎と秘書たちは「主従の関係」であり、とても一個人として対等な行動は取れない面もある。
その点は同情の余地は有る。

しかし、上関町の選挙は、記名投票でもなく、完全な自由意思とまでは言えないが、ある程度は自由な意思で投票に臨んでいる。
それでも推進派が圧勝した。

貧しい地方の田舎町で満足できる行政運営に欠かせない財源は、原発関連の交付金と中国電力からの寄付金しかないという現実。
周辺の自治体への影響や自分たちの子孫の行く末を考えてもなお原発推進を選択せざるを得ない現実。
おそらく東北の福島原発を推進した住民たちと同じ思いで投票行動に至ったと推測できる。

正に「お金の力」である。

子どもはみんな都会へ出て高齢者ばかり、働く場所も無い。
町は多数の高齢者を抱え、医療・福祉で支出が増すばかり。そんなところへ多額のお金を持参して来る「原発」、ありがたいじゃないか。
今、目の前の生活が不安な住民やお役所が飛びつかない訳は無い。
実際この萩市でさえ嘗ては原発誘致運動が活発に行なわれ、無料の視察旅行も開催されていた。

人間はやはり弱いよね、誰も見ていなければ受け取ってしまう。
そして受け取ったら最後、相手の言いなり。
これがお金の魔力。

正に小沢流の「勝利の方程式」、「お金を受け取らせばこっちのもの」。おそらくそんな傲慢な気持ちが小沢流には有る。
『何を以ってか人を聚むる、財という』(易経)。

お金よりも大事なモノは無いのかね?



まんわ経営労務ホームページ
http://www.manwa55.net/

manwa at 14:00|PermalinkComments(0)clip!
ご案内
事務所紹介


山口県萩市東田町12番地

ジョイフルポルタ2F(萩ロータリークラブ隣り)

TEL:0838-21-1033

FAX:0838-22-1525

メールはこちらへ

 

自慢の応接室です
自慢の応接室です



経営理念

私たちは、中小企業のホームドクターとして、人事・労務・財務を中心とした経営コンサルテーションを通じて、顧客企業の経営体質の強化とそこに働く人々の福祉の向上に寄与することにより、真に豊かな社会づくりに貢献します

そのため、スタッフひとりひとりの自己成長と自らの事務所〔会社〕の安定的発展を図り、質の高いサービスを提供するよう努力します

グローバル且つローカルな視野でダイナミックに行動する地方発のキラリと光る事務所、それが私たちのモットーです




業務案内

■人事・労務・財務コンサル

解雇問題、労働基準法にかかわる様々な労務問題、給料・賞与・退職金・割増賃金など、賃金にか かわる問題、安全衛生の問題、変形労働時間等の労働時間、社会保険に関する諸問題、そして財務内容の改善問題....等、人事・労務・財務に関する様々なコンサルティングを行ないます。

■メンタルヘルス・マネジメント

企業の社会的責任(CSR)、法令遵守、リスクマネジメントといった視点と、労働者が心身ともに健康で、生き生きと働くことのできる職務満足感、労働生産性の視点からメンタルヘルス・マネジメントを円滑に推進できる体制づくりをお手伝いします。社員のストレスチェック、職場の状況判定、個人面談等によりきめ細かいサービスを実施。職場の風通しを良くするための「傾聴研修」も行います。

■就業規則等の諸規程

就業規則、給与規程、退職金規程、出張旅費規程、慶弔見舞金規程、育児・介護休業規程、パート タイマー規程、機密保持規程、社有車管理規程、マイカー管理規程、その他諸規程又は運営細則の作成指導を行ないます。

■労働保険・社会保険の手続代行

労働保険(労災保険・雇用保険)に関する諸手続
労災給付、休業補償、障害補償、遺族補償、通勤災害、第三者行為災害、入社・退社手続、離職票 、高年齢雇用継続給付、育児・介護休業給付等の諸手続
社会保険(健康保険・厚生年金)に関する諸手続き
入社・退社・扶養者の手続、出産・死亡・の各種給付、傷病手当金、高額療養申請、老齢年金、障害 年金、遺族年金等の諸手続

■給与計算代行サービス

月例給与計算業務、賞与計算業務、年末調整業務の3つの基本業務と銀行振込依頼書作成サービ ス等提供致します。

■各種助成金申請

特定求職者雇用開発助成金、継続雇用定着促進助成金、基盤人材確保助成金、介護基盤人材確 保助成金、トライアル雇用奨励金、育児休業関係助成金、パートタイマー助成金、重度障害者介助等 助成金、受給資格者創業助成金、高年齢者等共同就業機会創出助成金 他