2016年09月

2016年09月24日

有名無力

有名人のスキャンダルには、勿論興味がある。
オリンピック前には舛添前都知事の「せこい」金遣い問題、オリンピック最中にはSMAP解散話、その後は高畑裕太強姦事件など、マスコミは面白おかしく記事にして、私たちを楽しませてくれる。

それにしても、有名人は大変だ。それを「有名税」と呼ぶが、世間の目に常に晒され、世間の気分で褒められたり、叩かれたりが当たり前の身分で、一般人並みのプライバシーなんて論外。
そんな恐ろしい「有名税」を課せられるのが有名人。

さて戦後の日本政界の指南役と呼ばれた安岡正篤先生がよく使われた「有名無力、無名有力」という言葉。

安岡先生は、有名人について次のように指摘される。
「名士になると何もできなくなるのです。
あっちの義理、こっちの差し障り、いろんなことで身動きがとれなくなる。
これは偉くなった人は皆わかる。心ならずも何もできないということになってしまう。
無名であれば、何をしようが自由自在でしょう。だから有力に働ける」。

そして若者へ、
「君たちは決して有名になろうとしてはいかん。有名は多く無力になる。
そうではなく、無名にして有力な人になることを考えなければならない。
本当に有力な人になろうと思ったら、なるべく無名でおることを考えなければならん。
有名になったら、もう何もできなくなるのです」と、まるで禅問答。

さらに多忙な有名人への極めつけは、
「『忙しい、忙しい』というのは有名人の口癖。
『忙』という字は“心が亡くなる”ということ。“心が亡くなる”のですから馬鹿になるのです。
そうでなければあんなミスが大臣や議員に起こるわけがない」と(安岡正篤著「運命を開く」)。



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2016年09月17日

地方の疲弊

7月に行われた参院選で、新しく有権者になった18歳と19歳の若者の都道府県別投票率が公表された。
投票率のトップは東京都18歳62.3%、19歳53.8%(2位神奈川18歳58.44%、19歳51.09%)で、最低は高知県18歳35.29%、19歳26.58%だ。
それぞれ高低差に30%近くもの開きがある。

ちなみに山口は18歳43.41%、19歳31.79%だ。

この数字だけを見れば、地方の若者は、東京の若者と比べて政治への関心が低いという結論になる。
それは、住民票を実家に残したまま進学、就職したケースも多いという理由もあるようだが、なぜ低い投票率かの原因追及は行われていない。
果たして若者たちは、今の生活に疑問や不満は無いのか。
将来の年金が心配にならないのか。また、今の政治の仕組みを変えたいと思わないのか。
お節介と思われるだろうが、オジサンたちは心配する。

かつて先輩の世代が経験した60年安保や70年安保の頃の若者の怒りが吹き荒れた社会など、とても今の若者たちにはイメージできまい。
今の日本は、本当に若者の満足度の高い国になったのか。

しかし、そもそも昨今の参院選は、都道府県全体で見ると地方より都市部の方がなぜか投票率が高い。
例えば東京都57.50%(前回53.51)、神奈川55.46(54.47)、愛知55.41(52.65)、高知49.52%(49.89)、山口53.35%(50.35)だ。

なぜ地方の投票率が低いのか。
この問題も正確に分析する必要があるだろうが、やはり地方の高齢化進展の影響が大きな原因の一つと考える。

先日厚労省が発表した都道府県別一人当たり医療費のトップは、奇しくもあの低投票率トップの高知県で65万8千円。2位は山口県64万5千円。
医療費と低投票率、一見無関係な数字だが、地方住民の疲弊ぶりを表す数字に見えなくも無い。



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2016年09月10日

日本の貧困

インドのスラム街で貧困救済に生涯をささげたマザー・テレサ。
先週バチカンでテレサの「聖人」列聖式が行われた。
テレサは80年代には度々日本を訪れ
、「日本は豊かだが、多くの人は弱い人や貧しい人に無関心。愛の反対は無関心だ」
との言葉を残している。

テレサがバブル当時の日本に残したこの言葉が、残念ながら30年経った今、日本社会の問題を的確に暴いている。

先日NHKの番組で「子どもの貧困問題」を扱う特集があった。
ある母子家庭の女子高生が実名で実状を語った。

印象に残ったのは、お金がないので、家にはPCが無く、学校の授業でPCを使うため、練習用にキーボードだけは買ったというくだり。
家にはエアコンも無く、専門学校への進学もあきらめた。

これに対し早速ネットでバッシングが始まった。
本人のツイッターなどを特定し、詳細を調べて「1000円ランチやコンサートなんてとんでもない、貧乏人は贅沢するな」といった攻撃。
しかも国会議員の片山さつき氏までが、このバッシングに便乗してNHKに圧力をかけたりしている。
この議員、一体何を考えているのか。
貧者に関心どころか、貧者を鞭打つ、聖人テレサも驚くような日本人だ。
そもそもこんな人が国民の代表に選ばれるのが今の日本の政治だ。

ここで改めて「貧困層」の定義を再確認して置く。
日本人の手取り収入額で最も人数の多い中央値244万円の半分に満たない手取り収入122万円以下(額面207.5万円)の人を貧困層という。
10月に最低賃金が3%アップし、山口県は時給753円。
1カ月フル(173.5時間)に働いて130,645円、手取りは10万円。

これで親子二人が生活をする。それでも片山議員は「贅沢だ」と断じるのか。



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2016年09月03日

道楽

先日山本七平さんのエッセー集「無所属の時間」を読んでいたら、「道楽」をテーマに氏のうん蓄が披露されていた。

読みながら、気が付いたのだが、そう言えば私には趣味、道楽と呼べるものがあったかなと。
そもそも「趣味」、「道楽」の正確な定義から始めると、先ず「趣味」とは「人間が自由時間(生理的必要時間と労働時間を除いた時間、余暇)に、好んで習慣的に繰り返しおこなう行為、事柄やその対象のこと(ウィキペディア)」。片や「道楽」とは「(道を解して自ら楽しむ意から)本職以外の趣味などにふけり楽しむこと(広辞苑)」とある。

「道を解して自ら楽しむ」とあれば、茶、華、釣、盆栽、骨董等が挙げられ、「一人で花をいけ、一人で茶をたのしみ、一人で盆栽の手入れをし、一人でじっと竿先の浮きを見、一人で骨董をなでる。
日本の伝統的な正統派道楽は、原則として一人である」(山本七平著「無所属の時間」)。
強いて趣味と道楽を分けるとすれば「一人で楽しむ」という点だろうか。

「遊びの中に個を確保するという一つの生き方が、人間関係が複雑なわれわれの社会における「道楽」の基本型なのである」(同著)。

要するに「時間を忘れて没頭できる。
お金勘定をしないで没頭して楽しめる」のが、「道楽」あるいは「趣味」なのであろう。
確かに「仕事」に関しても「時間を忘れて、楽しんで」ということはままあるが、正直まだまだ「費用対効果」が頭から抜けず、我欲を超越して「仕事道楽」の境地にまでは辿り着けそうにない。

しかし、「仕事が道楽です」と答える人に仕事を依頼するのは、中々勇気が要りそうで、ちょっと引いてしまいそうですね。



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