金メダル効果

これがオリンピックの金メダル効果というものか。
羽生選手のケガを乗り越えての金メダル、そして小平選手の地道な努力の金メダル。
多くの人に感動と勇気を与えてくれた。

金メダル獲得の場面を観戦していた人は（勿論私を含め）、誰もが「自分もがんばろう」と励まされたに違いない。
おそらく老若男女５千万人以上の国民が、二人の金メダル獲得シーンを観て勇気づけられただろう。

さて冒頭に「金メダル効果」という言葉を使ったが、実際に各国がオリンピック選手の強化費にどの程度の税金を使っているかの参考データがある。
少し古いが２０１２年のロンドンオリンピック時の年間強化費で、ドイツ２７４億円、アメリカ１６５億円、中国１２０億円、イギリス１２０億円、日本２７億円という数字だ。
ドイツが突出し、日本はドイツの１０分の１。
この数字から、日本選手が劣悪なサポート環境の下で孤軍奮闘している様子が見える。

ただし、この強化費は夏季スポーツ種目が大半で、冬季スポーツ種目となればもっと少ないはず。
小平選手の就活の苦労話も頻繁に報じられるが、無名の選手にお金を出す企業は無い。
そのため日本政府は２０２０年の東京オリンピックに向けて、この年間強化費を平成２７年度から一気に１００億円に増額したそうだが、これも夏季スポーツ種目が優先、冬季スポーツ選手の苦労は続く。

それにしても、金メダルへのサクセスストーリーが、国民にこれほど大きな勇気を与え、生きる励みになることを思えば１００億円は決して高くない。
因みに昨年の政党助成金は３１７億７千万円だ。


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景観条例

国会の予算委員会の質疑で、有権者に配布した線香代が公職選挙法違反ではないかと質され、「いいえ政党活動の一環だから違反ではございません」との答弁が続く。
「政党活動」という印籠があれば、たいていの事は赦されるから不思議だ。

さて、ご当地萩市は前市長の主導した「まちじゅう博物館」政策のお陰で、街並みがきれいになったのは誰もが認める。
加えてご当地には、京都市並みに厳しい「景観条例」なるものがあり、建築物や看板の色彩等が規制されている。
その効果もあって、余りケバくない落ち着いた雰囲気の街並みが出来上がった。

但し、一部の市民からは、その厳しい規制に反発が出ているのも事実。
しかし、せっかく努力してきれいな街並みを作ったのに、市内の景観を損なう場面が一時的に生じる。

特に国政選挙の頃はひどい。公示前と公示後、与野党問わず、一斉に候補者の大きな顔写真の入った黄色や赤色のケバいポスターが、政党ポスターという名目で、まちじゅうにべたべたと貼り出される。
但し、これが選挙期間だけならまだしも、昨年の衆院選挙時に貼り出されたポスターが、未だに貼りっぱなしの人も。

正に有権者への線香配布と同じ理由で、政党活動という名目があれば、これも許されるのだろう。
しかし、周囲の景観と調和した上品なポスターならまだしも、残念ながら派手でよく目立つ。因みに萩市景観条例第３条は「市民は、自らが良好な景観の形成の主体であることを認識し、自主的かつ積極的に良好な景観の形成に努めるものとする」とある。

そこで与野党の議員さんや政党関係者にお願いしたい。
改めて萩市景観条例の趣旨も考慮した政党活動に励んで欲しい。


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社会保障

先月末、札幌の古い木造の共同住宅（三食付き下宿）が全焼し、そこに住む男女１１人が死亡。
札幌市によれば、入居していた１６人のうち少なくとも１３人が生活保護の受給者で、入居者のほとんどは高齢者。
地元の民生委員は、
「入居者には年配の人が多く、中には身体が不自由な人もいるので、火の扱いには気をつけるように声をかけていました。
また、建物はかなり古くて階段も急で狭いうえ、いろいろと荷物も置いてあったので逃げるのも大変だったと思います」と話す。
また、消防によれば「下宿」にはスプリンクラーを設置する義務はなく、必要な消火器や自動火災報知器などは設置されていて、法令違反がないことを確認したとのこと（ＮＨＫ北海道ニュース）。

この悲惨な火災事故をテレビで知って、改めて日本の社会保障の貧弱さを感じた。
本来なら、この人たちは老人ホーム等の介護施設に入所すべきところだが、そこまでのお世話は行政も財政的に無理。
そこで民間の貧困ビジネスのような施設に送り込めば、行政も手が切れる。
雨露をしのげて、三食いただければ、それだけでもありがたい。
しかし、これが日本の社会保障のレベルとすれば、経済大国の名折れではないかと悲しくなる。

片やミサイル防衛対策の整備費には、この10年間で既に2兆円を費やしているし、２９年度補正予算でミサイル防衛関連１９００億円も衆院で既に可決している。
今後も１基１千億円の迎撃ミサイルが、発注され続ける。
実際１千億円あれば、何人の高齢者が救われるだろうか。

軍備の充実と社会保障の充実、本当に日本国民に必要なのはどっちだ。
孔子は「食糧と軍備を天秤にかければ、食糧」と云ったが。


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レンズ交換

年齢的には少し早いとも思うが、昨日左眼のレンズ交換を行なった。
交換手術は３０分程度で終わり、特に痛み等は無かった。

左眼の違和感は以前からあったが、特に昨年の夏ごろから、本を読むのも、夜の車の運転も見えづらくなった。
メガネが合わない所為かと思い眼科で検査すると、左眼の白内障を指摘され、手術を勧められた。
やはり見えにくいのは不便でストレス。
手術の時間も短く、日帰りで済むというので、思い切って手術を決めた。

この手術は眼の濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れることで完了する。
正に「眼のレンズ交換」である。
これでやっと快適に本が読めるようになると思うと、楽しみだ。

確かに年齢を重ねるごとに、身体の色んな部品を消耗するのは仕方がないが、しかし、それが分かっていても医者から改めて不具合を指摘されると、自分に対する自信がぐらぐらっと揺らいでしまう。
いつかは誰でも経験する世界だが、やはり初めての経験というのは怖いものだ。

だから、せめて気分だけでも明るく持たなければと、ある知人が魔法のワードを考案した。
例えば、もし自分が「骨粗鬆症」と診断されたら、周囲には「わたしは、ガラスのように壊れやすい身体です」としおらしく告げる。

また、止むを得ず運転免許証を返上した人は、「まるで羽を折られたエンジェルのようです」と、これまたしおらしく告白すると周囲の人も同情して、もしかしてアッシー君が見つかるかも知れない。

なるほど憂鬱な事柄をユーモアとポジティブに変えてしまう魔法のワードだ。

今日は手術の翌日、朝病院で眼帯をはずした。確かに手元が明るく良く見える。
世の中が明るく見えるぞ。


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