2019年02月
2019年02月23日
思いやり
ある時、子貢(孔子の弟子)が孔子に尋ねた。
「一生涯を通じて実践する行ないは有りますか」と。
それに対し、孔子曰く
「それは恕(優しい思いやり)だ。
自分がして欲しくないことは、人に行なってはいけない」と。
これが孔子の諭した、人間として大切な生涯の行動指針の恕。
しかし、経済至上主義の今の世の中は、いかに利益をたくさん上げるかを最も重視した仕組みで成り立つ。
そのため、年齢を重ね少し古くなって来た社員が60歳を迎えると、定年という言葉と共に会社を卒業させる制度が備わっている。しかし、昨今の労働者不足と厚生年金受給年齢の引き上げにより、そのまま退職できる状況では無くなった。
そのため、ほとんどの会社では、65歳までの一年契約更新を基本にした再雇用制度が常態となっている。
民間会社では勿論だが、今やお役所の中でも、昨日までは〇〇所長だった方が、今日からは〇〇係のヒラ職員になるのも当たり前。
多くの再雇用者は、労働条件に不満を抱えながら、生活のために我慢しながら働いているのが現状だろう。
長年会社(役所)に貢献したことも余り評価されず、再雇用の報酬は20%カット、30%カットが相場、しかも職場は「働かせてやっている」感が見え見え。当然本人のプライドは傷つくし、モチベーションも上がらない。
これでは経営者側も労働者側も不幸。
ここに孔子の「恕」を持ってくると、もっと気持ちよく働けるのではないか。
会社の目の先の利益でなく、定年を迎えられる先輩方を敬意を持って遇するやり方があるはずだ。
やはり自分がして欲しくないことは、人にもやってはいけないという思いやりを大事にできる職場でありたい。
まんわ経営労務ホームページ
https://www.manwa55.net/
「一生涯を通じて実践する行ないは有りますか」と。
それに対し、孔子曰く
「それは恕(優しい思いやり)だ。
自分がして欲しくないことは、人に行なってはいけない」と。
これが孔子の諭した、人間として大切な生涯の行動指針の恕。
しかし、経済至上主義の今の世の中は、いかに利益をたくさん上げるかを最も重視した仕組みで成り立つ。
そのため、年齢を重ね少し古くなって来た社員が60歳を迎えると、定年という言葉と共に会社を卒業させる制度が備わっている。しかし、昨今の労働者不足と厚生年金受給年齢の引き上げにより、そのまま退職できる状況では無くなった。
そのため、ほとんどの会社では、65歳までの一年契約更新を基本にした再雇用制度が常態となっている。
民間会社では勿論だが、今やお役所の中でも、昨日までは〇〇所長だった方が、今日からは〇〇係のヒラ職員になるのも当たり前。
多くの再雇用者は、労働条件に不満を抱えながら、生活のために我慢しながら働いているのが現状だろう。
長年会社(役所)に貢献したことも余り評価されず、再雇用の報酬は20%カット、30%カットが相場、しかも職場は「働かせてやっている」感が見え見え。当然本人のプライドは傷つくし、モチベーションも上がらない。
これでは経営者側も労働者側も不幸。
ここに孔子の「恕」を持ってくると、もっと気持ちよく働けるのではないか。
会社の目の先の利益でなく、定年を迎えられる先輩方を敬意を持って遇するやり方があるはずだ。
やはり自分がして欲しくないことは、人にもやってはいけないという思いやりを大事にできる職場でありたい。
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2019年02月16日
若さと志
朝日新聞が昨年12月に実施した世論調査で、今年の大型連休(GW)が10連休になることについて尋ねた。
「うれしい」は35%で「うれしくない」の45%の方が多いという結果だった。
「うれしい」は若年層ほど多く、18〜29歳は58%、30代は43%、60代は25%、70歳以上は18%だったとのこと。
勿論私も「10連休は嬉しくない」派。
正直、中小企業勤務者で丸々10日間も休める人は、先ず居ないだろうし、お金も体力も余裕のある人でないと、10日間の休みを楽しく過ごすのは難易度が高い。
こんな所でも世の年齢・職業「格差」を思い知らされることになる。
おそらく安心して休めるのは、世の若い公務員か銀行員くらいではないかと、いつものひがみ根性が出て来る。
だがこんな身勝手な話題で不満を口にするなど、自分が恥ずかしい。
今の世の中、困窮を極めた多くの人々に想いを馳せると、自分がいかに恵まれているかがよく分かる。
それにしても昨日の池江璃花子選手が白血病というニュース、私も大いにショックだった。
正に今が旬のアスリートだ。
人生も本当に意地が悪いなと責めたくなる。
しかし、池江選手もまだ18歳、これからの人生の方が遥かに長い。
蘇東坡の漢詩に「誰かいわん人生再び少(わか)きことなしと、門前の流水なお能く西(にし)す」というのがある。
現代語訳で「人生は再び若くなれないなどと誰が言ったのか。現に門の前を流れている川は西の方(逆方向)へ流れているではないか。これと同じく少年から老年へ進むばかりでなく、逆もある」という意。
即ち、志さえあれば年老いても成功できることをうたった言葉だ。
がんばれ、池江。
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「うれしい」は35%で「うれしくない」の45%の方が多いという結果だった。
「うれしい」は若年層ほど多く、18〜29歳は58%、30代は43%、60代は25%、70歳以上は18%だったとのこと。
勿論私も「10連休は嬉しくない」派。
正直、中小企業勤務者で丸々10日間も休める人は、先ず居ないだろうし、お金も体力も余裕のある人でないと、10日間の休みを楽しく過ごすのは難易度が高い。
こんな所でも世の年齢・職業「格差」を思い知らされることになる。
おそらく安心して休めるのは、世の若い公務員か銀行員くらいではないかと、いつものひがみ根性が出て来る。
だがこんな身勝手な話題で不満を口にするなど、自分が恥ずかしい。
今の世の中、困窮を極めた多くの人々に想いを馳せると、自分がいかに恵まれているかがよく分かる。
それにしても昨日の池江璃花子選手が白血病というニュース、私も大いにショックだった。
正に今が旬のアスリートだ。
人生も本当に意地が悪いなと責めたくなる。
しかし、池江選手もまだ18歳、これからの人生の方が遥かに長い。
蘇東坡の漢詩に「誰かいわん人生再び少(わか)きことなしと、門前の流水なお能く西(にし)す」というのがある。
現代語訳で「人生は再び若くなれないなどと誰が言ったのか。現に門の前を流れている川は西の方(逆方向)へ流れているではないか。これと同じく少年から老年へ進むばかりでなく、逆もある」という意。
即ち、志さえあれば年老いても成功できることをうたった言葉だ。
がんばれ、池江。
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2019年02月09日
アルゴリズム
アルゴリズムという言葉をご存知ですか。
IT関係の方には常識だろうが、我々一般人には少し難解。
ウィキペディアによれば、
「アルゴリズムとは、数学、コンピューティング、言語学、あるいは関連する分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したものを言う。
アルゴリズムは正しくその解を得るための具体的手順および根拠を与える。」とある。
この説明だけでは、なんのことやら。
例えば、今私と貴方が同時に、スマホの画面にGoogle検索で「アメリカ」と入れてみると、お互いの画面にはそれぞれ違う記事が表示される。
貴方の画面には「アメリカのIT関連」の記事がずらりと並び、一方私の画面には政治的な記事が表示されている。
これが「アルゴリズム」。
「私も貴方も、それぞれが過去に検索したり、クリックした記事や広告情報を元に、スパコンがそれに沿った検索を瞬時に弾き出し、それが表示される。だから、二人同時に同じ検索ワードを入れても、同じ結果にならない」
「検索すればするほど、その人の嗜好に合った結果が出て、貴方の手に入れる情報はどんどん偏って来て、重要情報から遠ざかる」。
そして「蓄積された貴方の個人情報は、企業に売られ、アルゴリズムによって貴方が好きそうな情報や広告を、企業側はピンポイントで貴方に発信することが可能になる」
(堤未果著「政府はもう嘘をつけない」)。
長々と引用したが、要するに怖いのは、このアルゴリズムを使えば企業や国家は、個人の情報操作が簡単にできるということ。
だからSNSは怖いと言われる由縁。
確かにITは安くて便利、だがその舞台裏に棲む魔物に払う代価は大きい。
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IT関係の方には常識だろうが、我々一般人には少し難解。
ウィキペディアによれば、
「アルゴリズムとは、数学、コンピューティング、言語学、あるいは関連する分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したものを言う。
アルゴリズムは正しくその解を得るための具体的手順および根拠を与える。」とある。
この説明だけでは、なんのことやら。
例えば、今私と貴方が同時に、スマホの画面にGoogle検索で「アメリカ」と入れてみると、お互いの画面にはそれぞれ違う記事が表示される。
貴方の画面には「アメリカのIT関連」の記事がずらりと並び、一方私の画面には政治的な記事が表示されている。
これが「アルゴリズム」。
「私も貴方も、それぞれが過去に検索したり、クリックした記事や広告情報を元に、スパコンがそれに沿った検索を瞬時に弾き出し、それが表示される。だから、二人同時に同じ検索ワードを入れても、同じ結果にならない」
「検索すればするほど、その人の嗜好に合った結果が出て、貴方の手に入れる情報はどんどん偏って来て、重要情報から遠ざかる」。
そして「蓄積された貴方の個人情報は、企業に売られ、アルゴリズムによって貴方が好きそうな情報や広告を、企業側はピンポイントで貴方に発信することが可能になる」
(堤未果著「政府はもう嘘をつけない」)。
長々と引用したが、要するに怖いのは、このアルゴリズムを使えば企業や国家は、個人の情報操作が簡単にできるということ。
だからSNSは怖いと言われる由縁。
確かにITは安くて便利、だがその舞台裏に棲む魔物に払う代価は大きい。
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2019年02月02日
方丈記
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し」と、世の無常をうたいつつ始まる鴨長明の「方丈記」を先日読み終えた。
学校の教科書で誰もが一度は目にした一文だろう。
改めて全編を読んでみて驚いたのは、800年前(1212年執筆)の随筆が、今の時代の世相と余り違和感が無い点だ。
そもそも鴨長明の無常観は、長明の実体験から生まれていると言われる。
即ち、安元の大火、治承の辻風、養和の飢饉、元暦の大地震等々、大きな天変地異の体験が彼の無常観の基底を成している。
随筆の題名は長明が日野山(京都市伏見区日野町)に1丈 (約 3m・四畳半) 四方の庵室を造って住んだことから付けられた。
留金で簡単に組み立てられ、車で運搬もできたそうだ。
長明は京都の上賀茂・下賀茂神社の氏神を祖とする名家の鴨一族に生まれた(武田友宏編「方丈記」)。
父は京都下賀茂神社の宮司を務め、長明はその次男で父の後継者だったが、父の急死により一族で跡目争いが起こり、長明は争いに敗れた。
その後、先の天変地異や数々の挫折を経て、54歳の時に日野山の方丈の庵に住みついた。
世は諸行無常と云われるが、長明に限らず、多くの日本人が遺伝子で共有する人生観のように思える。
考えてみれば日本の歴史上、過去幾多の大地震等の災害に日本人は翻弄されて来た。
ここ百年間でも、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等々の震災が起きている。
正に自然災害を克服することで民族を繁栄させて来たかのようだ。
改めて先人に感謝。
まんわ経営労務ホームページ
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よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し」と、世の無常をうたいつつ始まる鴨長明の「方丈記」を先日読み終えた。
学校の教科書で誰もが一度は目にした一文だろう。
改めて全編を読んでみて驚いたのは、800年前(1212年執筆)の随筆が、今の時代の世相と余り違和感が無い点だ。
そもそも鴨長明の無常観は、長明の実体験から生まれていると言われる。
即ち、安元の大火、治承の辻風、養和の飢饉、元暦の大地震等々、大きな天変地異の体験が彼の無常観の基底を成している。
随筆の題名は長明が日野山(京都市伏見区日野町)に1丈 (約 3m・四畳半) 四方の庵室を造って住んだことから付けられた。
留金で簡単に組み立てられ、車で運搬もできたそうだ。
長明は京都の上賀茂・下賀茂神社の氏神を祖とする名家の鴨一族に生まれた(武田友宏編「方丈記」)。
父は京都下賀茂神社の宮司を務め、長明はその次男で父の後継者だったが、父の急死により一族で跡目争いが起こり、長明は争いに敗れた。
その後、先の天変地異や数々の挫折を経て、54歳の時に日野山の方丈の庵に住みついた。
世は諸行無常と云われるが、長明に限らず、多くの日本人が遺伝子で共有する人生観のように思える。
考えてみれば日本の歴史上、過去幾多の大地震等の災害に日本人は翻弄されて来た。
ここ百年間でも、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等々の震災が起きている。
正に自然災害を克服することで民族を繁栄させて来たかのようだ。
改めて先人に感謝。
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