2020年05月

2020年05月30日

曲学阿世

連日「専門家」と呼ばれる先生方が、テレビでごもっともな解説をしておられるが、どうもこの「専門家」という呼称が耳に障り、専門家の先生方の貴重なご意見も素直に耳に入って来ない。
恐らく、私がひねくれた、天邪鬼な性格だからだろう。
例えば、今や「時の人」のように絶賛される大阪府知事の吉村洋文氏(44歳)にしても、確かに自分の言葉で誠実にしゃべる姿には好感が持てるし、腹の据わった受け答えや、頭の回転の早やさには、どこかのトップと比べると雲泥の差を感じる。
しかし、天邪鬼の私の視点で見ると、そもそも吉村知事は弁護士出身、彼の先輩の橋下元知事と同じ法律の専門家でもある。
そして二人の共通点は、「弁論では負けない」雄弁なところだろうか。

かつて明治時代に「代言人」と呼ばれる職業があり、今でも弁護士の先生方を貶めるために、「三百代言」(三百文で本人の代わりに弁ずる商売)という呼称が使われることもある。
要するに両名ともに弁が立つ雄弁家で、弁論の専門家である。
確かに自分の意とするところを有権者に正確に伝える能力が、政治家には求められるが、その点両名とも余裕で合格点だ。
但し、雄弁家は、悪くすると詭弁を弄する名手にもなれるし、或いは真理を曲げて権力に迎合する、どこかの大臣のように「曲学阿世の徒」にもなれる。

それにしても百年に一度と言われるコロナ禍を前にして、内閣や国会議員に信頼が集まらないのも国民にとっては、不幸な話だ。

孔子曰く、
「信頼は食糧や軍備よりも大事、なぜなら国民の信頼が無くなれば、国家自体が成立しないのだから」と。

いよいよ政権の支持率も20%台、日本国は本当に大丈夫かな。



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2020年05月23日

パブとビール

文明という言葉に対置される言葉として、野蛮、未開という言葉があるが、そもそも文明とは何だろう?
デジタル大辞泉には「人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす」とある。
すなわち精神的な豊さよりも、経済的・物質的な豊さが文明には優先するようだ。
しかし、改めて今回のコロナ禍で「経済的・物質的文化」だけでなく「精神的な文化」も我々には欠かせないことが痛感できた。

そもそも人間が生きるのに、先ず第一に必要な物は食べ物、そして次は雨露をしのぐ住み家、そして三つ目は寒さから身を守る衣服だろうか。
しかし、それだけでは一度きりの人生に余りにも味気が無い。
友人や知人との会話も欲しいし、音楽や読書、絵画の楽しみも欲しい。

かつてイエス・キリストは、40日間の断食中に悪魔の誘いに応え、「人はパンのみにて生くるにあらず〔マタイ福音書四章〕」と答えている。
即ち、人は物質的な満足だけを目的として生きるものではなく、精神的なよりどころも必要だと。
だからこそ、みんなでわいわい言いながらビールのジョッキを傾けるのが楽しいし、幸福感も味わえる。
そんな楽しい文化もまた一つ消えそうだ。
「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、英国文化を象徴する「パブ」と呼ばれる酒場の4割が9月までに閉店する可能性があることが明らかになった。
英国では、一日の終わりに仕事仲間や友人らとパブでビールなどを飲みながら会話を楽しむのが日常の風景だ(5月9日毎日新聞)」。
残念です。



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2020年05月16日

お役所仕事

今注目の助成金に雇用調整助成金というのがある。
事業継続のために従業員を解雇しないで、一時的に従業員を休業させるための「休業手当補助」の助成金だ。

しかし、売上収入の無い事業主が、従業員に休業手当を支払うのは、中々厳しい。
いくら労基法に「事業主の都合で休業させる場合は賃金の60%以上を支払うこと」とあるとは言え、事業破綻寸前で資金繰りに窮した状況だ。
速やかに資金を補填しないと事業継続は困難。
それなのに、この助成金は、申請窓口で審査業務が滞り、一体いつになったら支給が決定するのか見込めないのだ。

当方も受託案件につきハローワークの担当者に何度も催促するが、書類審査が一向に進まない。
とうとう所長に直接事業者の苦境を訴え、手続きの促進をお願いしたりもした。

即ち、
「業務処理を1名の担当者だけに任せないで、他の職員にもサポートしてもらったらいかがですか」、
「毎日職員の半数をコロナ対策の名目で自宅勤務にさせているくらいなら、職員総出で助成金業務の処理に当たらせたらいかがですか」、
「窓口担当者を増やすのに社労士会に協力を求めたらいかがですか」等々。

正に「お役所仕事」。
お役所仕事とは、「形式主義に流れ、不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語(大辞林第3版)」とある。
世の中が不景気でも、安定した収入が得られる公務員の皆様と違い、世の事業者にとっては今が、いかに危機的な状態にあるのか理解出来ないのだろう。

そう言えば「そんなに公務員がうらやましいのなら、あなたも公務員になればよかったですね」と、以前皮肉交じりに言い返されたことがあった。
ごもっとも、いいなあ公務員。



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2020年05月09日

プロンプター

昨年の自殺者数は10年連続最少の2万169人、毎年3万人超の頃と格段の差だ。
明確な理由は分からないが、社会に「メンタルヘルス」の重要性が浸透して来たか、あるいは社会が経済的に安定して来た所為だろうと言われる。

しかし、今年はちょっと様子が違う。
コロナウイルス禍による経済苦で、自殺者が急増するのではないかと心配する識者も多い。
コロナウイルスによる死者数より、経済的困窮による死者数の方が多くなるのではないかと危惧される。

それを裏付けるように、先日東京都練馬区の老舗のとんかつ屋さんが火事でご主人が焼死した。
自分でてんぷら油をかぶっての焼死という悲惨なニュースである。
恐らくコロナウイルス禍の影響で開店休業状態となり、その結果経済苦で心身ともに追い詰められたのだろう。

確かに今、事業者支援の色々な助成金が提供されているが、手続きが煩雑で、慣れない人には書類作成のハードルが高い。
しかも、お役所窓口の杓子定規な対応で、手続きをあきらめる事業者も多い。

今さら文句を言っても仕方が無いが、この感染の影響は2月初旬から始まっており、ホテルや旅館に関しては、2月の売上分から影響が出ている。
結局2月、3月、4月、5月の収入がほぼゼロに近いのが大多数だ。
このままでは、1抜け、2抜けと事業の廃業を決める事業者が続出するだろう。

昨日の緊急事態宣言延長の総理の会見、国民を鼓舞する言葉も無く、ただ左右に設置したプロンプターに写る文字を読むだけ。
何も心に響いて来ない。

ズルズルと時間だけが経過し、このままでは、外出自粛で収入の途を閉ざされた多くの国民の自死を目の当たりにすることになるだろう。



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2020年05月02日

雇用調整助成金

人と人との接触を減らすために、不要不急の外出は自粛せよ。
お陰でご当地も観光関連の事業所が次々と休館・休業に至る。

しかし、いつになったら世の中が正常化するのか見込めないままの休業だが、従業員の雇用を維持するためには、国の支給する「雇用調整助成金」に頼らざるを得ない。
そもそもこの雇用調整助成金、昔から存在する代物で、「なるべく出したくない」ニュアンスの助成金。役所の窓口へ何度も通ってようやく申請が受理されるような難関の助成金だ。
しかも申請書類が煩雑なため窓口でのクレームも多く、窓口の慣れない担当者は頭を抱え、ほぼパンク状態。
それに加え、ネットにアップされた書類の様式と取扱要領が頻繁に変わり、窓口担当者でさえ付いて行けないと嘆く有り様(因みに山口労働局の4月24日時点の公表では、県全体で申請受理件数が14件で支給決定がわずか1件とのこと)。

とにかく事業所の倒産や廃業を防ぎ、多くの従業員の雇用を護るために、国のおカネを投入するという重要な施策のはずだ。
それなのに手続きが滞り、助成金に手が届かないという現状。責任者出て来いと言いたいところだが、これもあの厚労省の管轄だ。
もっと柔軟な頭で問題解決ができないものか。

無能な大臣ばかりを集めた内閣では、期待するのも無理な話か。
加えてハローワークの窓口では、助成金の相談待ちのお客さんで行列ができる危険な過密状態を作っている。
正直、何とかして欲しい。
それこそ国民から選ばれた国会議員が得意とする「身命を賭して」、「休業」を選択した事業者の支援を強力に推し進めるべきだろう。
このままでは多くの事業者が6月の壁を乗り切れないかも。



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