2016年10月

2016年10月29日

曽野綾子85歳

私の好きな作家曽野綾子さんの9月出版の「日本人の甘え」という新書を読了。
その著書で、今年の2月に話題になった「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログについて、「日本人の表現力の低下と、日本人が自分を生かしてもらっている国や社会に対して正当な評価をできない認識の甘さを露呈している。完全な国などどこにもない」との評。

「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
何が少子化だよクソ。
オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。
エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
ふざけんな日本。保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ、、、」。

これが若い母親たちの感覚なのだろうか。
確かに「甘え」ている。

曽野綾子さんは昭和6年生まれの85歳。
「かつて部屋を飾ることが好きだった私が、(今は)ものが減って、『空』が入り込んでくるのを、快く感じる。
何という不思議な変わりようだろう。
このさわやかさは何ものにも換え難い(本文抜粋)」という心境になられている。

本著の帯にまとめられた解説文には「待機児童や貧困問題に見る国と社会への認識の甘さ、騒々しく謝罪ばかり求めるメディアの思い上がり、他国や他民族への無理解と独善的な価値判断、、、、、近年、あらゆる事象にこの国の体質変化が現れ始めた」とある。
私が曽野綾子さんを好きなのは、「権力に媚びず、マスコミにも媚びず、大衆にも媚びず」、堂々とど真ん中の意見を述べる点だ。
「他者に媚びない」姿勢は、格好いい。
国民に媚びるだけの政治家とはちと違う。



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2016年10月22日

自分史的時事論断

私が毎週発行しているWIN-WIN NEWSの稚拙な雑文を、1冊の本にまとめて自費出版しました。
タイトルは「自分史的時事論断―私の感じたこと❶」。
私が独立開業したての頃、暇を持て余して始めた週刊FAX NEWSが、よもや500週以上も続くとは、思ってもいませんでした。
しかも毎週一遍のジャンル不明の稚拙な雑文を書いて、それを関係皆様にFAXで勝手に送りつける作業を、これまで537回(週)も繰り返した訳です。

皆様には、ご迷惑だったかも知れません。
ただ、ありがたいことに、このFAXを毎週楽しみに読んでいただける方も居られるようで、そんな方から感想をお寄せいただくと、嬉しくなり、それも書き続ける力になりました。

さて今回の出版にあたり、自分の雑文を読み返してみて、改めて気が付いたことが二つあります。
一つは、「世の中も人間も(勿論私も)、必ず進歩する訳ではない(退化もある)」という当たり前の事。
そしてもう一つは、「人間や世の中で起きる現象には表の顔と裏の顔、或いは横の顔もあり、多面体と思って見ていた方が、身の為」という人間・社会観。

だから、この私についてもその雑文だけを見て、『なんと好い人』などと思ったら大間違いで、世の多くのホコリまみれのオジサンと同様に、自分の保身に汲々としている人間の一人かも知れません。
結局、身勝手な動機での出版ですが、願わくは、60年余りの私の人生途上でご縁を頂いた関係皆様方に、ご笑覧いただければ、何よりも幸せに存じます。

本の販売も始めます。
ご希望の方はFAXでご連絡ください。1
冊1300円+消費税です。割と良い出来です(送料・税込み1600円)。



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2016年10月15日

敗軍の将

「敗軍の将兵を語らず」(史記)という言葉を聞くことがある。

「戦に負けた将軍は、武勇について語る資格は無い」という意味だが、そもそもこの言葉が生まれた背景は、言葉の意味とは若干異なっている。
即ち、股くぐりで有名な韓信が、背水の陣を布いて趙軍を破ったときの話で、趙軍の優秀な軍略家広武君を捕縛し厚く礼遇した上で、「これから北の燕を伐ち、東のかた斉を伐とうと思いますが、どうしたら成功できるでしょうか」と丁重に尋ねたところ、
「『敗軍の将は以て勇を言うべからず、亡国の大夫は以て存(国を保つ道)を図るべからず』という言葉があります。
戦いに敗れて捕虜になっている私に大事を図る資格はありません」と広武君は断わるが、結局韓信の熱意に負け広武君が加勢することになる。

さて、所変わってここ日本、高い支持率を維持する安倍晋三総理も一度は政権を投げ出した(敗れた)経験をお持ちだが、前の失敗を今回は上手く活かしている。
「失敗は成功の基」ということわざ通り。

片や野党を代表する民進党。
先般の代表戦を終えて、「あの」野田佳彦氏が幹事長に就任。
私はこの野田佳彦氏が今の日本の政治家では一番信頼できる。

しかし、4年前の2012年11月16日、惨敗覚悟で衆議院を解散し、予想通り大負けした。
なぜ負けると分かって解散したのか、未だに旧民主党内部では批判する者が多いと聞く。
あの時の野田氏の心境は、「党利より国民の利を優先」だったと考える。

因みに、あの吉田松陰の歌に「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂」という歌がある。正に「身命を賭して国を救わん」とする熱い思いは同じと見るが。



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2016年10月08日

長時間労働

先日ある飲食店のオーナーから相談を受けた。
そのお店は正社員が3名、他は7名の時間給パートで運営されている。
仕事の難易度は、パート従業員でも2カ月程度経験すれば充分対応できる業務。
従業員数はこれで充分。
それにも拘わらず、なぜか正社員の勤務時間数(残業時間)が長く、残業時間が60時間超の月も有る。
長時間労働が問題視される昨今、一体どうしたら残業時間を減らせるかという相談だった。

正直、改善策は難しくない。
即ち、出勤のシフト表作成を社員に任せないで、しばらくオーナー自身が担当する。
業態から考えても正社員でないと出来ない仕事でもないので、パート担当の時間を増やすシフト表を作り、強引に正社員の残業を減らす。

結局このお店の長時間労働の原因は、オーナーの監督の目が行き届かない状況下で、社員が自分の残業代を得たいために、自身が長時間勤務するシフト表を作っていたに過ぎなかった。

実はこういうケースは、他業種の現場でも結構見受けられる。

1時間で終えられる仕事をわざわざ2時間かけて残業するというひどいケースもある。
これもやはり残業代を得たいがためだ。
中には正直に、「残業代が無いと生活できないので、残業させて欲しい」と申し出る社員も居る。

さて、政府主導の働き方改革審議会では、長時間労働が健康面のみならず、少子化の一因でもあるとの前提で、長時間労働を法律でさらに規制しようとしている。
即ち、長時間労働を「悪」と位置付けた上での改革だ。

しかし、表には出にくいが、中小零細の底辺の労働現場の実態は、残業代が無いと生活できないという元々の低賃金の問題を抱えていることも忘れないで欲しい。



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2016年10月01日

円の値段

例えばトヨタが、日本で作った車をアメリカで販売しているケースで、販売価格は1台1万ドル、生産原価は80万円(8000ドル)とする。
今年の3月時点の為替を1ドル100円、それが9月になって1ドル120円の円安になったと仮定。
すると車1台当たりの利益は3月時点で20万円(2000ドル)だったのが、9月時点では為替変動だけで20%増の24万円(2000ドル)になる。

これが円安の輸出効果だ。
要するに円の国際価格が1円安くなるごとに、輸出業者は何の努力もしないで1円儲かることになる。

但し、この儲けも一時的だ。
なぜなら、円安ということは外国から輸入する資材価格も上がることを意味する。
これまで100円で仕入れていた資材が20%UPの120円でないと仕入れられなくなる。
こうして円安により日本国内での生産原価が、嫌でも20%高くなる。

いくらトヨタが円安で利益が20%増えたと威張っていても、その下請け業者の生産コストは確実に上昇する。
いずれその上昇分はトヨタ本体の生産コストに反映されるか、下請け業者が負担する。さらに円安が続くと国民の多くがダメージを受ける。

食料品を始め生活用品の大半を輸入に頼る現状では、円安は輸入品価格の上昇を招き、物価高により実質賃金が下がるためだ。
黒田日銀の物価2%UP誘導、アベノミクスの円安と株高誘導が、いかに国民を不幸にする政策であるか、落ち着いて考えたら分かるはずだ。

国民多数の生活を考えれば、円の値段が高い方が良いに決まっている。
多くの生活用品や光熱費が安くなり、給料が上がらなくても生活は楽になる。
結局、円安で株高を喜ぶ人と円高で物価安を喜ぶ人のどちらに重きを置く政権かを見極める必要があると思うが。



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